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ココは元S-Silence管理人の日記とかエッセイモドキとかが徒然とごにょごにょしている空間です
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家に帰り付いたは良いが、ふと気付くと。
食事と風呂の後、
事務作業のみでもう日が変わりそうだ。まだ終わらない。
この後の作業、何十分かかるのか、不明。

ぼやぼやしてると人生が終わってしまう。
意識がある内に、とっととあのファイルを完成させるんだ。

その後にまだ体力が残っていれば、
趣味に手を付け……無理だよな。
とにかくGO
「ねえ、もっと楽観的に考えようよ。状況的に見てそんなに悪くはないよ、今」
というのは、自主的に思うのと、人に言われるのでは、効力が180度違う。
もぬすごく慌ててたから、コーヒーショップで肩に鞄かけたままドリンク乗ったトレイ持ったら、鞄が肩から肘まで落ちてきて、まあ、わっしゃーんて満杯のまま全身に被ったね。
抹茶ラテフロート。
これ以上べたべたの飲み物知らんわ……。

とりあえず学校に欠席連絡いれたけど、当日キャンセルはチケット切られるんよね。
そんでから、毎日使う鞄がラテまみれなもんで、帰りに色違いの新しいの買ったね。出費続きやね。

あ、因みにお店の人、新しい抹茶ラテフロートただでくれたね。多分僕えぐえぐしてたね。えぐえぐ。
読みたい漫画を持って寝床に入るんだが、ページを二回めくった辺りで自分が目をつむっている事に気付いて、電気を消して本を置く。というのが何日か続いて話が進まん。
どうもキメ台詞で噛んでたようだ……。
いやー最悪の月曜日だったぜ。
長々と書けばきりがないから一言で言うと、客が老害だった。
いきつけのランチ屋に、キャパシティが低めのホールスタッフが居る。
具合としては、4人組から追加オーダー受注、1人客のオーダー品が出来上がり、2人が新規来店、この辺りで捌ききれなくなる。大した数じゃない。他の従業員なら滞りなくこなしていただろう。

そんな時、とあるライブハウスの従業員達をふと思い出す。「○○先輩ちょー客捌き早過ぎてこんなんついてけないッス」、とか言っていた新人アルバイター達が次々と調教されていく、そんな店の事だ。

ジャズ系の音楽ハウスのホールスタッフは過酷だ。チケット制のセルフサービスなどではなく、通常の飲み屋店形式でオーダーを受けたりする。すべての客に、オーダーを聞いて、届けるという手順が要る、のだが。
開演直前にどっと固まって客がくる。
開演すると意志疎通は身振り手振りに頼る面が多い。
そもそもの人口密度が凄まじく、椅子の後ろに通れる隙間があるとは限らない。

という感じで、大体の週末はホールスタッフ一人頭30人以上の客を捌く地獄となる。
するとやはり、入って間もない従業員は週末の戦力にならず、覚えが早い方でも一ヶ月は慣れて貰ってからの金曜出撃となるのだ。
しかし、興味深かったのはむしろ覚えの遅い人の方で、「この人、泣きそうだし辞めるかな?」と思っても、6ヶ月も耐え抜けばキャパシティが上がっている。一人頭30人以上を何度か体験してしまうと、一人頭15人なら「今日ヒマっすねえー」などと余裕をかますようになる。実際、余裕だ。何しろ客が半数なら通路も広くなるし、オーダー管理もしやすい。必要なパワーは半分どころではなく、もっと少なくなる。
そこで思うのだ、覚えの遅かったその人は、一人頭15人の日々ばかりをずっと続けていても、6ヶ月後には余裕発言をかましたろうかと。
勿論そんな実験をすることは出来なかったが、おそらく、MAXの引き上げ無しに余裕は感じなかったのではないだろうか。

強い体の話では、筋トレをはじめとする後天的要素が語られる事が多く感じる。
だが、強い頭の話では、知能指数をはじめとする先天的要素が意識されがちな気がするのだ。
実際には、どちらも同等に、先天的なスタートライン差を持ち、また大リーグ養成ギブス的な負荷トレーニング対象なのではなかろうか。

いずれにせよ、無理をすれば死んでしまう。けれど、もしも毎日が楽だとか、退屈だとか感じる生活なのならば、それは。
「よく掻き混ぜてお飲みください」
→混ぜといてくれよ。

「というデータを作ってくれるか」
→ええ定時ですがやりましょう。

「やだー○○さんパソコン使えるじゃないですかー」
→握り箸や刺し箸が、箸を使える内に入るのならば。

夕飯は立ち食いでかき揚げ&生卵スタミナ蕎麦どした。洒落乙感98パーセントカット当社比。さてもうひとがんばり。

 自分より背の高いサトウキビの畑は、距離の感覚を狂わせた。もうどれほど分け入ってきたのか。朝から居るが今は日が高い。暑い。
 地面から昇ってくる湿度が土臭くて咽せそうだ。場違いなワイシャツが汗で首筋に絡みつく。
 作物を掻き分けて進み、見上げると、がさついた緑の単子葉が重なって思わせぶりに空を透かしている。くらりとする。足が重い。
 期待した通り、たった一人で行き倒れられそうだ。
 彼がここに来る切っ掛けはつい昨日。夏の過酷さとは切り離された快適なオフィスでのこと。新製品です、と差し出された菓子箱の中にあった小さなパンフレット。
 完全有機栽培のサトウキビから作られる自然な甘味。そんなキャッチコピーは読みもせず、大規模農場を見下ろす航空写真に心引かれた。一面の黄緑色。
 死ぬなら都会の香りが微塵もしない場所でと常々思っていたのだ。
 うだる。このまま脱水症状で逝けるかもしれない。歩くのをやめて寝転がる。深呼吸すると、地面付近に溜まった有機物の匂いを濃く感じて嘔吐きそうになる。黄緑の底から青空の欠片を見上げる。
「何してるんかい」
 突然の老人の声に肩が跳ねた。このだだっ広さで人に会うとはまさかだ。身を起こす。
「貴方こそ何を」
「バッタとか取っとるね」
「はあ。そうですか」
 長いどた靴も、泥の汚れも、見るからに貧しい農家のおばあさんだ。彼女は勝手に隣へ腰掛けてきた。じっと覗き込まれる。
「あんたねえ、覚悟を決めた顔をしとる人は、死に神も避けるよ」
 動揺が先走り、何の話ですか? と白を切る勇気が出なかった。
「なぜ、分かります」
「あたしはもうそういう領域に入ったんさ」
 人生経験が深く刻まれた皺だらけの顔に頷かれ、見透かされた不快よりも、ほっとした。所詮は見知らぬ関係だ。
「仕事がつらくて。しかし辞められる立ち場でもないので、それで」
「そら困ったな。ふーむ、困ったあ……」
 まるで自分の悩みの様に老婆はうーんと唸り込んだ。
「困りますか?」
「だってあんた、生きる死ぬゆうのはそうそう気ぃ変わらんもんだろし」
 その通りだ。下手な慰めを言わぬのはなるほど、年の功か。
 貴重な聞き手を得て、肩の力が抜けた。
「我が社は『人生を幸せにするお菓子を』とかいうスローガンのメーカーで……笑えますよね。私すっかり菓子嫌いになりました。ついでに人生も」
 老婆は、はっはっと高らかに笑った。
「菓子ねえ、この辺に生えとるのは全部材料みたいだけど? ま、こんな上等なもの口にしたことはないね。あたしらのお菓子はみんな大体これだったわ」
 取り出されたビンには、カサカサと乾いた音を立てるバッタが十匹くらい入っていた。
 しわしわの老婆は、少し昔の事を語り始めた。この一帯は村人にとっては先祖伝来の農地で、自身も何十年も命を注ぐように丹精込めて世話をしてきたと。各々の村人が多様な作物を作り、助け合って暮らしていたと。
「でもなあ、みんなやっぱり、お金詰まれたら土地売ってしまったんよなあ。あたしは死んでもここ離れられんから、今はひとりぼっちよ」
「寂しいですね」
「そうねえ。だからこれは思い出の味なのよねえ。ほら、一個あげよう」
 バッタは黒ずんで軽かった。
「いえあの……」
「揚げたらカリカリで美味しいし、栄養あるし。エエおやつよ」
 老婆が躊躇なく一匹を口に放り込むので、やむなく食べてみる。香ばしく、えびせんに近いが。
 全く旨い物ではない。
 彼女らはどういう気持ちでこれを常食したろうか。これを食べようと思えるほど自分は死ぬ気で働いていたろうか。
 帰ろう。
 立ち上がって礼を言う。
「いい顔んなったねえ」
「おかげさまで」
 憑き物が落ちた心地がする。死に損ねたようだ。
「……命を差し出すと言っていたのに、なぜ避けるんでしょうね死に神は」
 老婆は吹き出しだ。
「そらあんた、面白く無いからさあ。そんな捨てられるゴミのようなもん」
 スマートフォンの電源を入れてGPS機能をONにするだけで、程なくヘリコプターの羽音が聞こえた。近くに着陸する気配。やってくる複数の足音。
「ご無事でしたか社長」
「盛大に迷ったよ。すまないね。とんだ視察になって」
 農道まで案内され、そこからはヘリで、あっという間にサトウキビ畑の上空だ。
 密閉された窓からは眼下に、写真と同じ一面の黄緑が見えた。
「ここ、随分と農地集積したんだね」
「あ、ええそうですね。元は持ち主がバラバラで」
 社長はふと振り返った。老婆は死んでもこの土地を離れないと言ったが、確かにこの農場は現在、すべて我社の敷地である。
「君、聞きたいんだが、ここの農地買収は……」
 その時、ヘリの内部にゴウン! と重い轟音が走った。
 何だ!? と搭乗者全員がコックピットを振り返ったが、残念ながらパイロットは操縦桿を握って青ざめるだけだったのである。
 老婆はサトウキビの隙間から、空を、ヘリコプターの黒煙を眺めている。
「復讐ってのは面倒なもんだな。なにせ、生きたい奴でなきゃ殺す意味がない」




  (以上、1997文字)

課題内容:「匂いで空間を表現」「失笑」「スイーツ」「上限2000文字」





 
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