終始、雰囲気だけで進んでいく展開だったので、
コミュニケーション部分は言語に意訳する。
尚、体力が尽きそうなので校正なし。
あ、11月カレンダー、捲るのも忘れてた。
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一人の男性殴りプリーストと、決闘の約束をしていた。
とても楽しみだ。
場所は建物の二階に位置する大広間だ。一見、会議室風に見える。
予定時間より早く、その部屋に入ってみた。
入り口の扉がある壁には、ほぼ壁一面サイズのホワイトボードが有る。びっしりと文字が列んでいる。
上半分には人の頭より大きなサイズの、黒すぎる真っ黒の数字の並び。これは恐らくそれは最初から書かれていた物だ。
下半分には白すぎる真っ白の数字が書き足されていた。
壁一面を埋める、白と黒の数字に、目がハレーションを起こしてしまい、振り返ってみると景色がモザイクの様にちかちかと霞んだ。
成る程、これは戦闘中には致命的だろう。これでもしアサシンでも相手にしたら勝つ自信がない。(そういえばあのプリースト、アサシンの友達が居たな。と言うか自分がそのアサシンなのか? 分からない)
相手には、あの数字を視界に入れない技術でもあるのだろうか。
対戦相手の男性プリーストが部屋に来た。自分と彼とはとても親しい。彼の事は好きだ。
やあよく来たな、会いたかった、お前と戦えるのを楽しみにしていたんだ、長い付き合いでやってきたのに一度も武器を交えた事は無かったな。
わくわくする。その時、階下で音がした。
おかしいな、今日は家には誰も居なかった筈なのに。(ん? 此処は自宅だったのか)
ちょっと待ってくれと伝えて階段を下りると、数人が帰ってきている。その一人、遠方に住んでいた自分の親族と思しき老婆が、抱えていた犬を床に降ろした。
やあ、初めまして犬。
縫いぐるみみたいな小さなもこもこの犬だ。よろしくな、と覗き込むと目を丸くして此方を警戒した。愛嬌はある方か。
二階のあいつにも見せてやりたいな、と抱きかかえようとしても上手く行かない。
そうして家族と少し雑談している内に、気を利かせたプリーストが、高い身長を屈ませながら階段を下りてきて、今日のとこはおれは帰ろうか? と問うてきた。
いや、待たせて済まないな。いま上に上がる。
所でこの数字はお前が書いたのか? 問うとプリーストはそうだと言ったので、なかなかやるな、よく効く、と褒めた。プリーストは笑った。和やかなムードが流れる。
話し込みだして、話題は彼の昔話となる。
随分前の光景だ。彼は、煎餅の様な物を卸していたらしい。
だが大量に作られた茶色のそれは、検品用に掴まれたその、たった一つだけが、割れていたのだ。
業者が取引中止を宣告し、彼は焦った様子で言い募ったがにべもなかった。
その時、彼の周囲のおじさんが、小売り用の小さな袋を持っているから使わないかと言い、彼の後ろに居た女性が自分も手伝うと言いだした。
彼は忙しく品を袋に詰め、取り敢えずは周囲に居る仲間全員に配った。
その時の事が無ければ今の自分は居ない、とプリーストは語った気もする。
彼の事を一つ知り、今日の所は決闘はまたお流れの様相だ。
プリーストは大人びて楽しげな笑みを沢山浮かべていて、本当に気が置けない友だし、好きだ。彼との対戦を本当に楽しみにしていたし、今もその楽しみを自分で焦らしているみたいで面白い。