僕は造形美術が大好きだ。わくわくする。
中でも、やはり服飾はもえる。
だから僕がコスプレ観賞をするにあたっては、
実は中の人の顔はどうでも良かったりする。
注目するのは服の造り。
言ってみるならファッションとしての完成度である。
モードの世界によく聞いた褒め言葉として
『洗練されている』『高級に見える』と言うのがあり、
又、よくあるダメ出しには
『馬鹿げてる』『安っぽい』と言うのがあった。
全くその通りだな、分かり易い言葉だ、と思う。
パッと見ただけでも感じる服の印象、『イイな!』と『イヤだ』の違い、
それを端的に纏めてると思うのだ。
良し悪し、その違いが何処から生まれてくるのか。
生地は最適なのか、
仕立てはよいのか、
ディテールはどうか、
シルエットはどうか、
フィット感はどうか、
トータルで見た時のバランスはどうか。
質感、色合い、形。割合、総合美。
そういう目で見て、ただ『何のキャラか分かれば良い』のではなく、
『そのままランウェイに出ても美しい』って物を目にした時、
初めてそのキャラがそこに立っているわくわく感が得られる気がする。
(でも、今んとこそこまで思えたのは
どっかの誰かがやってたFF6のティナくらいかな。
柄物の布と、じゃらじゃらの色とりどりアクセサリーを着けて尚
トータルコーディネートが成り立ってるのは技術を感じた)
まあ個人的趣味の話。
基本的にはコスプレは本人が楽しむ為に着るもので、
周囲に居る僕が見て楽しんでいるのは副産物みたいなモンであろう。
でもやっぱしいつも存分に楽しませて欲しいと期待してる。
古代服飾の房やドレープ、近代服飾の洗練されたシルエット。
それも良いが。
ルネサンス、ゴシック、ロココ辺りの衣装を納めた美術館は常軌を逸してる。
芯を入れろ、刺繍を入れろ、布を重ねろ。
見ろと示す為の大仰な仕掛けと強烈なディテール、
あの眼前30センチに寄って凝視しても美しく見所の有る造形。
そこを目指してやる、みたいな人が
コスプレイヤー全体の10%くらいはいて欲しいな。っていつも期待してる。