ココは元S-Silence管理人の日記とかエッセイモドキとかが徒然とごにょごにょしている空間です
「私は指が長すぎるのよね」
その小さな呟きを耳にした時、日常によくあるような軽いぼやきだと聞き流した。
幾らかの談笑の後、テーブルの下で貴方はそっと指を隠し終えていた。隠された事に因って、それがわたしの思っていたよりも深い傷であったのだと意識した。だから今、貴方の長い袖が深い傷を完全に隠しているのに、わたしはその見えない箇所に指を思い描きながら見詰めてしまう。わたしはその長い指の形を気に留めて覚えているくらいには好きだったので。
言うなればこういう心境。
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