リアルの知り合いでS-Silenceを知っている人は居ない。
別に同趣味の人になら見せてもイイや、と思っていたのだが、
今までは偶々上手い具合に周囲にホモ好きが居なかったのである。
そうこうしている内に当サイトは徐々にブログが嵩張りだして、
記事内容もリアル友人に見せるのは危うい所まで来た。
文章ゾーンとリアルを一切交えてはいけないな、と方針を改めた。
そして今。
とある素人婦女子さんが現れた。
彼女が名乗った通りに表記すると“腐女子さん”である。
なにゆえ素人としたかというと、B-Boy等の商業誌のみを領分とする方で、
同人は興味があっても未知の世界らしい。
なのでまあ、バリバリの人達から見れば素人さんの類であろう。
実際、其方の世界には強くない僕程度の応答だけでしきりに関心している。
一応服飾系の場所で出会っているので、
文の創作とは完全に切り離してあるコスプレ衣装の制作ブログを教えた。
小説も読みたいとは言われたがお断りした。
彼女は危険な香りがするのである。
知っている事はしつこく教えてくる。知らない事はしつこく聞いてくる。
それは属性の範疇ではなく人格自体の質とも言える。
『アレも作ってくれ』『コレも見せてくれ』という要求に
生半可な笑みで曖昧に返しながら、何度かした提案をまた繰り返す。
「たくさん見たいなら手っ取り早くネット上のコミュニティサイトにでも
メンバー登録したら凄い人のをいっぱい見られるよ」
彼女は嬉々として言った。
「やってる人の普段の人ととナリを知ってるからおもしろいんじゃん!」
僕は偉そうにこう返したくなる。
「僕なんかのを見るよりももっと上手い人の良い作品を、良い心持ちで見ておいでよ。そうしたらきっと作者なんて何処の誰でも構わなくなる。だってそのとき君が素晴らしいと感じる世界を君の中に構築したのは作者ではなく君自身だからね。僕らを見るんじゃなくて、僕らが作った物を見るといいよ。そうでなきゃ『うわあ普段あんなに清楚なあの人が!?』とか、『済ました顔してたけどこんな欲望もってるんだ?』とか、まるで頭が三次元でしょ。僕らの世界には来られないよ。僕らはエンターテイナーであって、辱められる役目は負って無いんだよ? 勿論、同じ趣味の人の中にも色々な人種が居るから、きっと君と気が合う人も居るよ。探してご覧」
以上の、人を見下しきった内心を閉じこめた実際の発言は下記の通り。
「どうかな?」
会話終了。やれやれ。人をあしらうってのは慣れてない。
彼女の発言に僕は虫酸が走っていたなんていう事実は
彼女は知る事は無いだろうし、一生知る必要もない。幸せに生きればいい。