ココは元S-Silence管理人の日記とかエッセイモドキとかが徒然とごにょごにょしている空間です
着弾の音がすぐ側、十メートルも離れない地面を鈍く抉るのが、短い地響きとなって肌に伝わってくる。次の弾が此処に落ちないかどうかなど分からない。だが行く道も引く道も、突破は難しいだろう。不可能と言う言葉は敢えて飲んだ。
何もかもが細い糸で持ちこたえている。
いつまでこうして粘って耐えれば良いというのか、誰かを問いつめたくて堪らなくなる。
助けを待つ。必ず突破してきてくれる。信じている。
つい先程そう公言したにも関わらず、彼は胸を掻く焦慮に蝕まれ始めていた。
本当に救助隊は来ているのか。もしやこの地へ辿り着くことなく既に息絶えているのではないか。
読めない戦況に業を煮やし、突撃したくなる衝動を、グローブの掌にある革と共にギシギシと握り潰す。
堪えろ。まだ自暴するような場面じゃあない。
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チケットに書かれた発車時刻はもう間もなくだ。後二分で、来るのか、来ないのか。焦慮する彼の気持ちに比例して膝の貧乏揺すりが速くなる。
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