ココは元S-Silence管理人の日記とかエッセイモドキとかが徒然とごにょごにょしている空間です
ミミは不良ではないが、名門山堂一族の中ではアウトサイダーだった。
「全くアンタと来たらパン粉にもなりゃしない」
というのが母の口癖で、鯉に食われる程度が関の山と、自分の行く末を諦めていた。
「君は彼女と同じ釜から出てきたとは思えないクズだな」
そう譏られ、姉と比べられる事にも疲れ果てた頃、転機が訪れた。
羅栖区への抜擢だ。ミミは頑張った。厳しい加工に耐え抜いた。
だが姉は言うのだ。
「山堂一族の面汚し。砂糖にまみれて再加熱までした癖に20円程度のおやつだ なんて。わたくしなどカツ様のパワーを得て今や時価420円」
姉、十枚切は「このクズめ」と嘲笑した。
何かが爆ぜた。昔とは違う、硬く鍛え上げられた肉体が激昂した。
「ミミは決して! パン屑ではない!」
「ぎゃあああ」
(完)
「あの……店長……? カツサンドにラスク刺しましたか?」
[お題:パン屑]
「全くアンタと来たらパン粉にもなりゃしない」
というのが母の口癖で、鯉に食われる程度が関の山と、自分の行く末を諦めていた。
「君は彼女と同じ釜から出てきたとは思えないクズだな」
そう譏られ、姉と比べられる事にも疲れ果てた頃、転機が訪れた。
羅栖区への抜擢だ。ミミは頑張った。厳しい加工に耐え抜いた。
だが姉は言うのだ。
「山堂一族の面汚し。砂糖にまみれて再加熱までした癖に20円程度のおやつだ なんて。わたくしなどカツ様のパワーを得て今や時価420円」
姉、十枚切は「このクズめ」と嘲笑した。
何かが爆ぜた。昔とは違う、硬く鍛え上げられた肉体が激昂した。
「ミミは決して! パン屑ではない!」
「ぎゃあああ」
(完)
「あの……店長……? カツサンドにラスク刺しましたか?」
[お題:パン屑]
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